妊娠中のシートベルトについて
2021年4月21日
みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。
「妊娠中はシートベルトをしなくても良い」これは正しいでしょうか?
道路交通法では以下の記載があります。
座席ベルトおよび幼児用補助装置に係る義務の免除
●道路交通法施行令第26条の3の2 第1項
負傷若しくは障害のため又は妊娠中であることにより座席ベルトを装着することが療養上又は健康保持上適当でない者が自動車を運転するとき。
つまり妊娠中で、腹痛や出血がひどい、陣痛が始まったなど緊急な場合のみシートベルトの着用は免除されているのです。
しかし!シートベルトは妊婦さんだけでなく、大切なお腹の赤ちゃんの命も守ってくれます。
警察庁はもちろん、日本産科婦人科学会、日本婦人科医会などの団体もシートベルト着用が事故時の母体、お腹の赤ちゃんへの障害が軽減されるという見解を示し、妊婦さんのシートベルト着用を積極的に奨励しています。
妊婦さんの交通事故について
・年間数千人〜1万人の胎児が交通事故で流早産に至る。
・年間約40名の妊婦さんが亡くなられている。
・胎児死亡の50-70%は胎盤剥離、10%は子宮破裂。
・正しいシートベルト装着法により子宮内圧の上昇が抑制される。
【参考文献、村尾寛他:妊婦交通外傷80例の臨床的検討日産婦誌】
正しいシートベルト装着法とは
・斜めのベルトは両胸の間を通し、腰ベルトは恥骨の上に置く。
・いずれのベルトも子宮を横切らない様に装着する。
です。
こちらの画像も参考にしてください。
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/poster_seatbelt.pdf