シラミについて

2022年7月2日

みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

幼稚園や小学校でプール開きを迎えています。
この時期に多く見つかるシラミについて今回は解説します。
子どもの頭に見つかるのはシラミの中でもアタマジラミです。
これは不潔によって感染するものではありません!

「アタマジラミ」とは、人に寄生する3種類のシラミの一つで、体長2ミリほどの成虫が毛髪にしがみつき、頭皮から吸血して繁殖すると1か月ほどで激しいかゆみが出ます。
日本国内では1971年にDDTなどの有機塩素系殺虫剤が禁止されたことで、子どもを中心に集団発生するようになりましたが、82年にピレスロイド系殺虫剤(商品名「スミスリンシャンプー」など)が発売されて患者数はいったん減少。
しかし、90年代から再び発生件数は増加傾向となっていました。

シラミは出席停止が必要な伝染病ではありませんし、アタマジラミは誰もがうつる可能性のある病気で、冒頭でも言いましたが、不潔だから感染するということはありません。

主な感染ルートは頭同士の接触のほか、ヘアブラシや帽子の共用などです。
遊んでいるときや寝ているときに頭と頭がくっつくなどの接触で感染しますが、成虫がプールの水に落ちることもほとんどなく、水を介してうつることもなく、別の病気を媒介することもありません。

短い髪はシラミにとってすみづらい環境にはなりますが、こまめにチェックする以外の予防法はありません。

家庭で見つけた場合は、薬局でお薬を買って対応しても良いですし、判断がつかない場合にはぜひ受診してください。