夜尿症って何?原因や治療法について知ろう

2023年11月22日

みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

当院は夜尿症(おねしょ)の治療も行っています。

今回は、夜尿症についてお話ししたいと思います。夜尿症とは、5歳以上の子どもが、3か月以上の期間で、月に1回以上、夜におねしょをする状態のことです。夜尿症は、小学校入学前の子どもの10%程度にみられるとされ、決して珍しいものではありません。
成長とともに自然に治っていくことが多いですが、中には治らない場合もあります。夜尿症は、子どもの心身の健康や日常生活に影響を与えることがあります。そこで、夜尿症の原因や治療法について、詳しく説明していきたいと思います。

# 夜尿症の原因

夜尿症の根本的な原因は、膀胱内にたまった尿の量が膀胱の許容量を超えてしまうことです。

– 尿がたくさん作られる
– 睡眠中も日中と同じく腎臓では尿が産生されますが、脳下垂体から“抗利尿ホルモン”と呼ばれる尿の産生を抑制するホルモンが睡眠中により多く分泌されるようになるため、尿量は日中よりも減少します。この働きが未熟だと夜間も多くの尿が作られ夜尿の原因となります。

– 膀胱容量が少ない
– 小児は膀胱の大きさや機能が未熟なため、多くの尿を蓄えられず、尿意を感じる前に膀胱が収縮して尿失禁を引き起こしやすいのも1つの要因です

# 夜尿症の治療法

夜尿症の治療法は、原因によって異なります。まずは、夜尿症の原因を正しく診断することが大切です。診断のためには、医師に詳しく症状を話したり、尿検査などを受けたりすることが必要です。また、自分で排尿日誌というものをつけることも役に立ちます。排尿日誌とは、排尿した時刻と尿量を記録する日記のようなものです。これによって、自分の排尿習慣や膀胱容量を知ることができます。

夜尿症の治療法としては、以下のようなものがあります。

– 生活指導
– 生活指導とは、日常生活で気をつけることです。例えば、水分は日中に十分に摂り、寝る前や夜間には控えること、就寝前にトイレに行くこと、遅寝を避けること、睡眠環境を整えることなどがあります。これらのことは、簡単にできることですが、夜尿症の改善に効果的です。

– 薬物療法
– 薬物療法とは、薬を飲んで夜尿症を治すことです。多尿や夜間多尿の場合は、尿量を減らす薬(デスモプレシン)を寝る前に服用します。膀胱容量の減少の場合は、膀胱の収縮を抑える薬(抗コリン薬やβ3作動薬)や前立腺の肥大を改善する薬(α1遮断薬や5α還元酵素阻害薬)を服用します。

– アラーム療法
– アラーム療法とは、夜尿を感知する装置を使って、夜尿症を治すことです。アラーム療法には、パンツ型とマット型の2種類があります。パンツ型は、尿が出ると感知して、音や振動で起こしてくれるパンツです。マット型は、尿が出ると感知して、音や光で起こしてくれるマットです。これらの装置を使って、夜尿に気づいたらトイレに行く習慣を身につけることで、夜尿症が改善されることがあります。アラーム療法は、家族の協力が必要です。

# 夜尿症のまとめ

以上が、夜尿症についての説明です。夜尿症は、抗利尿ホルモンの不足や膀胱機能の未熟性が原因で起こることがあります。夜尿症の治療法は、生活指導、薬物療法、アラーム療法などがあります。夜尿症の原因や治療法は、個人によって異なるので、医師に相談して、適切な対策をとることが大切です。

最初に書いた定義を満たさない子を含めて、ご気軽に受診ください。