HPVワクチン未接種の方必見!2025年3月31日までの救済措置について解説

2025年2月5日

みなさん、こんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

・はじめに:HPVワクチンと子宮頸がん予防について
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因で発症するがんです。日本では毎年約1万人の女性が子宮頸がんと診断され、そのうち約3,000人が命を落としています。しかし、この子宮頸がんは、HPVワクチンの接種と定期的な検診によって高い確率で予防することができます。

HPVワクチンは、特定のHPV型に対する感染を防ぐ効果があり、特に若い年齢での接種が推奨されています。しかし、さまざまな事情で接種を受けていない方も少なくありません。そこで、日本政府は未接種者向けに「HPVワクチン救済措置(キャッチアップ接種)」を実施しています。

この記事では、キャッチアップ接種の重要性と詳細についてわかりやすく解説します。

・HPVワクチン救済措置(キャッチアップ接種)とは?
HPVワクチン救済措置(キャッチアップ接種)とは、過去に定期接種の機会を逃した方々が、無料でワクチン接種を受けられる特別な制度です。この制度は、特に2013年から2022年の間に定期接種の推奨が一時中断されていた影響で、接種率が低下した世代を対象としています。

キャッチアップ接種の目的は、未接種の方が将来的に子宮頸がんを発症するリスクを減らすことです。この救済措置を活用することで、HPV感染予防の効果を得ることができます。

現在、このキャッチアップ接種は2025年3月31日までの期間限定で実施されており、対象となる方は早めに接種を開始することが推奨されています。接種には3回のスケジュールが必要なため、余裕を持って計画することが重要です。

・救済措置の対象者と接種スケジュール
HPVワクチン救済措置の対象者は、主に以下の条件に該当する方々です。
1997年度から2006年度生まれの女性:この期間に生まれた方で、定期接種の機会を逃した方が対象です。
過去にHPVワクチンを未接種、または接種完了していない方:1回目または2回目の接種後に中断してしまった方も救済措置の対象となります。

接種スケジュール
HPVワクチンは、3回の接種が基本となります。
1回目の接種:できるだけ早く受けることが推奨されます。1回目を2025年3月31日までに接種できれば、残りは2026年3月31日まで公費で接種できます。
2回目の接種:1回目から1〜2か月後に接種。
3回目の接種:1回目からおおよそ6か月後に接種。
スケジュール通りに接種することで、最大限の効果が期待できます。接種完了までに時間がかかるため、余裕を持って計画することが大切です。

・HPVワクチン接種のメリットと副反応について
HPVワクチン接種のメリット
子宮頸がんの予防効果:HPVワクチンは、子宮頸がんの主な原因である高リスク型HPVの感染を予防します。特に、若年層での接種によって高い効果が期待できます。
その他のがん予防:HPVは子宮頸がんだけでなく、肛門がん、咽頭がん、陰茎がんなどの原因にもなるため、幅広いがんの予防に貢献します。
感染拡大の抑制:個人の感染予防だけでなく、社会全体でのHPV感染拡大を抑える効果もあります。

HPVワクチン接種後の副反応
HPVワクチン接種後には、副反応が生じる場合がありますが、多くは軽度で一時的なものです。
一般的な副反応:注射部位の痛み、腫れ、赤み、発熱、頭痛、疲労感など。
まれな副反応:アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)などの重い副反応がごく稀に報告されていますが、医療機関で適切に対応可能です。

副反応のリスクよりも、子宮頸がんなどの重篤な疾患を予防するメリットの方がはるかに大きいとされています。不安な点がある場合は、医療機関で相談することをお勧めします。

まとめ:2025年3月31日までに接種を始めましょう

HPVワクチンは、子宮頸がんをはじめとする多くの疾患を予防するための重要なワクチンです。過去に接種の機会を逃してしまった方々も、救済措置(キャッチアップ接種)を活用することで、無料で接種を受けることができます。
この救済措置は2025年3月31日までに1回目を接種できれば、残りの接種は2026年3月31日まで公費で接種できます。接種完了には時間がかかるため、余裕を持って早めに計画することが大切です。また、副反応に関して不安がある場合は、医療機関で相談しながら安心して接種を進めましょう。

未来の健康を守るため、ぜひこの機会を逃さず、早めの接種を検討してください。