帯状疱疹ワクチン定期接種制度について

2025年5月8日

みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

令和7年度から帯状疱疹ワクチンの定期接種制度が始まります。帯状疱疹は加齢や免疫力の低下によって発症リスクが高まる病気ですが、ワクチン接種により予防が可能です。

本記事では、対象者・接種できるワクチンの種類・費用助成制度などについて詳しく解説します。

帯状疱疹とは?ワクチン接種の重要性
帯状疱疹は、水ぼうそうの原因である「水痘・帯状疱疹ウイルス」が体内に潜伏し、免疫力の低下により再活性化することで発症する病気です。

主な症状として、体の片側にピリピリとした痛みを伴う発疹が現れます。特に高齢者では、「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼ばれる強い痛みが長期間続く後遺症が残ることがあり、生活の質(QOL)に大きく影響を与えることがあります。

ワクチン接種により、発症リスクを軽減し、重症化を予防することができます。

対象となる方(富士市在住の方)
令和7年度から、以下の年齢の方が定期接種の対象となります。

【対象年齢】
・令和7年度中に65歳になる方
・令和7年度中に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方(5年間の経過措置)
・令和7年度に限り101歳以上の方は全員対象
・60~64歳で、HIVによる免疫機能の障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

※帯状疱疹にかかったことがある方も対象です。

接種できるワクチンは2種類!それぞれの違いは?
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があり、いずれかを選択することができます。

生ワクチン「ビケン」 
種類  生ワクチン  
接種回数  1回  
効果の持続期間  約5年  
予防効果  約50~60% 
費用  比較的安価  
接種できない方  免疫が低下している方 

不活化ワクチン「シングリックス」
種類  不活化ワクチン
接種回数  2回(2か月間隔)
効果の持続期間  10年以上
予防効果  約90%
費用  高価
接種できない方  なし(基本的に全員接種可)

「ビケン」は1回接種で済み、費用も抑えられますが、免疫が低下している方は接種できません。一方、「シングリックス」は2回接種が必要ですが、高い予防効果と長期間の持続性があります。

どちらのワクチンが適しているかは、体質や健康状態、費用面などを考慮して医師と相談のうえ決めましょう。

接種費用と助成制度
帯状疱疹ワクチンの定期接種では、自己負担額の一部が助成されます。

富士市の助成額
「ビケン」:3,300円
「シングリックス」:7,700円/回 ※年度内に接種した回数分助成されます。2回とも助成を受けて接種するには、遅くとも1回目を1月までに接種してください。

まとめ:帯状疱疹ワクチンで健康な毎日を
帯状疱疹は、加齢とともにリスクが高まる病気ですが、ワクチン接種による予防が可能です。

定期接種の対象となる方は、ぜひこの機会に接種を検討しましょう。

ワクチンの種類について不安がある方は、当院でのご相談も可能です。詳しくは、お気軽にお問い合わせください。