はしかの接触後ワクチンについて

2026年5月15日



みなさんこんにちは。静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

はしかは、とても感染力が強い病気です。空気中にただようウイルスを吸いこむだけでもうつることがあり、同じ部屋にいただけでも感染することがあります。発熱、せき、鼻水、目の充血など、はじめはかぜのような症状で始まり、その後に高い熱と発疹が出ることがあります。肺炎や中耳炎、脳炎などを起こすこともあるため、注意が必要です。

静岡県の感染症週報では、2026年第19週(5月4日~5月10日)の県内で、はしかの新たな患者発生はありませんでした。一方で、2026年の県内累計は3件、全国では第19週だけで18件、年累計479件と報告されています。県内で今週出ていなくても、安全とは言い切れません。人の移動により、地域をまたいで広がることがあります。

はしかを防ぐ基本は、MRワクチンです。MRワクチンは、はしかと風しんを防ぐワクチンです。通常は、1歳で1回目、小学校入学前の1年間、つまり年長さんの学年で2回目を接種します。2回接種することで、高い予防効果が期待できます。

1歳の誕生日を迎えたら、麻しん風しん混合(MR)ワクチンをできるだけ早く接種しましょう。また、年長さんの学年にあたるお子さんは、MRワクチン2期の公費接種の対象です。接種できる時期が決まっていますので、忘れずに受けてください。

はしか患者さんと接触した場合、条件に合う方は緊急のワクチン接種を検討します。対象は、次のような方です。

・生後6か月以上の方
・はしか患者さんと接触してから72時間以内の方
・これまでにはしかにかかったことがない方
・MRワクチン、または麻しんワクチンの接種が2回未満の方
・予防接種を何回受けたかわからない方

接触から72時間以内に接種することで、発症を防げる可能性が上がるとされています。ただし、必ず防げるわけではありません。また、すでに発熱や発疹がある場合は、ワクチン接種ではなく、感染を広げないための対応が必要です。

生後6か月から1歳未満のお子さんにも、接触後の緊急対応としてMRワクチンを検討することがあります。ただし、この時期はお母さんから受け取った抗体が残っていることがあり、赤ちゃん自身の抗体づくりが弱くなることがあります。これをブランティング効果といいます。そのため、1歳未満で接種した場合でも、1歳を過ぎてからの定期接種は改めて必要です。

なお、MRワクチンは妊娠中の方には接種できません。妊娠している方、妊娠している可能性がある方は、接触後ワクチンの対象外です。はしか患者さんと接触した可能性がある場合は、産婦人科または保健所に早めに相談してください。

接触後の緊急ワクチン接種は、保険診療ではなく自由診療です。また、ネット予約はできません。はしか患者さんと接触した可能性がある方、発熱や発疹がある方は、直接来院せず、必ず事前にお電話ください。

まとめ

はしかは感染力が非常に強く、重い合併症を起こすことがあります。接触してから72時間以内で、生後6か月以上、ワクチン歴が2回未満または不明な方は、緊急接種の対象になる場合があります。ただし、妊娠中の方にはMRワクチンを接種できません。1歳になったらMRワクチン1期を早めに接種し、年長さんの学年ではMRワクチン2期を忘れずに受けましょう。

当院では、はしか患者さんと接触した可能性がある方の緊急ワクチン接種について、お電話でご相談を受け付けています。ネット予約では対応できませんので、必ず事前にお電話ください。