アレルギー項目ALLERGIES

食物系

牛乳

牛乳アレルギーは6歳までに70%が耐性を獲得するといわれていますが、特異的IgE抗体価が高いほど耐性獲得は遷延し、抗体価高値が続きます。

αラクトアルブミン

αラクトアルブミンは牛乳に含まれる主要アレルゲンの一つであり、乳性蛋白の約20%を占める分子量14.2kDの蛋白です。

βラクトグロブリン

牛乳アレルゲンのうち、β-ラクトグロブリンは80℃以上の加熱で抗原性が低下するとされています。

カゼイン

牛乳たんぱく質の80%を占めるカゼインは、100℃でも抗原性が低下しないといわれています。

チーズ

チーズはカゼインを主原料としており、一方バターは乳たんぱく質の混入は約0.6%と少ないです。

卵白

卵白には卵アレルギーの主要なアレルゲンとなるオボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリンなどの蛋白質が含まれます。特にオボムコイドは最もアレルゲン活性が強く、加熱しても変わりません。

卵黄

極度に強い卵アレルギーのある場合を除けば、卵黄にはアレルゲン活性はないといわれています。

オボムコイド

オボムコイドは卵アレルギーを起こす成分の1つで、熱や消化酵素の影響を受けにくく、アレルゲン活性を失わない耐熱性卵蛋白のことです。卵白にアレルギーを持つ人でもオボムコイドに対してアレルギーを持っていなければ、固ゆで卵や加熱加工した卵製品を含む食品を食べてもアレルギー症状を起こす可能性が低いと考えられています。

小麦

小麦アレルギーには、小麦を摂取した直後から2時間以内にアレルギー症状が出現する即時型アレルギーや、小麦を吸入することにより症状が出現する、いわゆるパン職人喘息、小麦に接触することで症状が出現する接触性皮膚炎、小麦摂取後に運動負荷が加わることで症状が出現する小麦依存性運動誘発アナフィラキシーなどの症状の出方があります。

ω5グリアジン

小麦による食物依存性運動誘発アナフィラキシーではグリアジン(特にω-5分画)が関与していると考えられ、特異IgE検査「ω5-グリアジン」は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの診断に有用です。

そば

そばは、他の食品よりも微量でも、アナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こしやすいため、注意が必要です。日本ではそばの消費量も多く、原因食物として多くみられることも報告されています。

大豆

大豆の特異的IgE抗体の診断精度は高くなく、特異的IgE抗体価が高くても、大豆摂取が可能な場合も多くあります。大豆アレルギーは耐性化率が高く、3歳までに約8割が耐性獲得するといわれています。

ゼラチン

ゼラチンの食物アレルギーとしての症例は数少ないという報告があります、今後も恐らく非常に少ないものと考えてよいと思います。

ピーナッツ

日本人ではピーナッツおよびナッツアレルギーの罹患率は高くありませんが、微量でもアナフィラキシーなどの強いアレルギー症状を起こしやすいアレルゲンであるため注意が必要です。

エビ

甲殻類のアレルギーは、乳幼児期は多くありませんが、小学生以降に増える傾向があり、成人ではもっとも多いアレルギーのひとつです。しばしば重症なアナフィラキシーを引き起こし、症例も多いです。

カニ

甲殻類のアレルギーは、乳幼児期は多くありませんが、小学生以降に増える傾向があり、成人ではもっとも多いアレルギーのひとつです。しばしば重症なアナフィラキシーを引き起こし、症例も多いです。

イワシ

魚アレルギーの原因となる魚は多い順に「サケ・マグロ・イワシ・カレイ・アジ・タイ・タラ・ブリ・サバ」です。

サバ

確かにサバはアレルギーを起こしやすい魚として有名ですが、サバを食べることで起こるじんましんはそのすべてがアレルギーとは限りません。アレルギーの症状を起こす物質としてヒスタミンがありますが、実は魚の中でヒスタミンが発生していて、そのヒスタミンを摂取したことで起こる食中毒(ヒスタミン食中毒)の可能性もあるのです。

キウイ

果物アレルギーでは口腔内に限局したかゆみや腫れを示します、花粉症のおよそ10%に合併します。

モモ

果物アレルギーでは口腔内に限局したかゆみや腫れを示します、花粉症のおよそ10%に合併します。

ホコリ・動物

ハウスダスト

ダニ、ペットのフケ、ゴキブリ・ガなどの昆虫、真菌などの混合物に対する抗体価を見ています。

ヤケヒョウダニ

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎やアトピー性皮膚炎の原因となります。

コナヒョウダニ

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎やアトピー性皮膚炎の原因となります。

イヌのフケ

イヌが発するアレルゲンは皮脂、唾液、フケ(皮屑)などに多く含まれています。イヌを飼っている家にいて鼻炎、ぜんそく、皮膚炎などが発症し、悪化するようなら、イヌアレルギーを疑います。

ネコのフケ

ネコを飼っている家にいて鼻炎、ぜんそく、皮膚炎などが発症し、悪化するようなら、ネコアレルギーを疑います。

ゴキブリ

ゴキブリは屋内昆虫の代表で、虫体と排泄物の両方にアレルゲン活性があり、死骸や糞が細かい粒子となって大気中に浮遊し、それらを吸入することにより気管支喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こします。

ラテックス

ラテックスアレルギーは天然ゴムラテックスによるアレルギー反応をさします。ゴム製品との接触で起こる接触性皮膚炎は化学薬品によるかぶれ(湿疹)によるもので、ラテックス特異IgE抗体は産生されません。

花粉系

スギ

スギ花粉に対するアレルギー疾患(花粉症等)の可能性を検査します。花粉が原因で起こるアレルギ-性鼻炎・結膜炎を「花粉症」と呼び、「花粉症」の中でスギが原因のものを「スギ花粉症」と呼びます。スギ花粉は2月下旬から4月上旬まで飛散することが多いです。

ヒノキ

春の花粉症の代表的な原因アレルゲンの一つです。スギ花粉とヒノキ花粉は飛散時期が重なるために混同しやすくなっており、また同時に発症しやすいといわれております。ヒノキ花粉は3月下旬から5月上旬まで飛散します。

イネ科

イネ科の花粉症は増加傾向にあります。カモガヤなど、身近に生息しているイネ科植物による花粉症は、初夏から秋にかけて発症します。

雑草

陽性の場合は本検査に含まれる抗原,ブタクサ,ヨモギ,フランスギク,タンポポ,アキノキリンソウのいずれかに感作されていることを示します。

カビ

日本は高温多湿な温帯気候のため、一年中カビが繁殖します。特に梅雨期から夏にかけては多く繁殖し、カビアレルギーを起こしやすくなります。カビアレルギーの検査では、特に真菌の種類を特定する必要がないことから、主な6種類の真菌を同時に検査するカビマルチで抗体の有無を調べます。