少児のけいれんについて

2020年10月23日

みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

今回は小児のけいれんについて説明いたします。

どんな原因がありますか?
小児、特に1歳前後の乳幼児はけいれんを起こしやすい年齢といわれています。

熱が急激に上がることによっておきる熱性けいれんがもっとも多いですが、中にはてんかんの発作や脳炎、脳症、髄膜炎などの感染症、低血糖や低カルシウム血症など体内のバランスの崩れによりけいれんを起こしていることもあり注意が必要です。

どんな症状ですか?
視線が合わずに呼びかけに答えない、顔色が悪くなり口から泡を吹く、体を硬くさせ手足をがくがくふるわせる、などの症状がみられます。

けいれんと間違えやすいものは?
高熱のときに全身がふるえる「悪寒(おかん)」は全身がガクガクとふるえますが意識はあり呼びかけに反応があります。

また高熱時に意味不明のことを言ったり意識がもうろうとする「熱せん妄」という症状がみられることもあります。寝ているときや寝入りばなに手足を一瞬をピクッピクッとさせる動きは「ミオクローヌス」の場合があり数秒で落ち着きます。

家でけいれんを起こしたらどうしたらいいでしょう?
まずはあわてず落ち着いて対応することが大事です。
あお向けに寝かせます。吐いたときに吐物が気管にはいり窒息することを防ぐために顔を横に向けましょう。
ケガの危険があるので口の中にタオルや指などを入れないでください。体を押さえつけたり、大声でゆすったりもしないようにします。

けいれんの様子や持続時間を観察してください。受診の際にけいれん時の様子が分かると診断やその後の治療の手がかりになります。

多くのけいれんは5分以内に止まります。けいれんが5-10分続き止まらない場合は救急車を呼びましょう。けいれんが止まっても反応が悪い、顔色が悪いなど心配な症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

どんな検査をしますか?治療は?
1回のみのけいれんで落ち着いている場合には処置や検査をおこなわずに経過をみることが多いです。けいれんを繰り返している、1回の持続時間が長いなどの場合は脳波検査、頭部CTやMRIなどの画像検査をおこなうことがあります。

けいれん後の生活についてなにか心配な点、不安な点があれば外来で医師に相談してみましょう。