リンゴ病(伝染性紅斑)に注意!妊婦さんと子どもを守る感染対策
2025年5月27日
みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。
今回は県内でも流行しているリンゴ病について解説いたします。
・リンゴ病(伝染性紅斑)とは?症状と特徴について
伝染性紅斑(リンゴ病)はヒトパルボウイルスB19によるウイルス感染症で、特に春から初夏にかけて流行します。特徴的な症状は、両頬が赤くなる「平手打ち様紅斑」です。レース状の発疹が腕や脚に広がることもあり、症状が現れる前には風邪に似た微熱や倦怠感がみられることもあります。一般的には軽症で済むことが多く、子どもたちは元気に過ごすことができます。
・静岡県内での流行状況と背景
現在、静岡県内では伝染性紅斑の患者数が増加しており、県は5月2日、2011年以来となる「警報レベル」に達したと発表しました。これは例年の季節的な流行を上回る深刻な状況です。特に保育園や小学校などの集団生活の場を中心に感染が広がっており、そこから家庭内へと広がるケースも多く見られます。
妊娠中の女性が感染すると、胎児に貧血などの影響が出るおそれがあるため、県は基本的な感染対策として手洗いやうがいの徹底を呼びかけています。日常の中でできる対策を見直し、感染の拡大を防ぎましょう。
・なぜ妊婦さんは注意が必要なのか
伝染性紅斑は通常は軽い病気ですが、妊婦さんが感染すると胎児に影響が及ぶことがあります。特に妊娠初期から中期(20週未満)に感染した場合、胎児水腫や流産の原因になる可能性があります。そのため、妊婦さん、または妊娠を予定されている方は、感染予防を徹底する必要があります。
・家庭でできる感染対策のポイント
伝染性紅斑の感染経路は飛沫感染および接触感染です。以下のような基本的な感染対策が効果的です。
・石けんを使った丁寧な手洗いの徹底
・うがいや咳エチケットの実施
・マスクの着用(特に妊婦さんやそのご家族)
・発症している方との濃厚な接触を避ける
また、感染しても発疹が出るころにはすでに感染力がなくなっていることが多いため、症状が出る前の予防が重要です。
・当院からのお願いとご案内
当院では、妊婦さんをはじめとするご家族が安心して過ごせるよう、感染症への注意喚起を行っています。お子さまに発疹や頬の赤みなど気になる症状がある場合は、受診前に一度お電話でご相談ください。
また、妊娠中の方や妊娠を予定されている方で、集団生活の場に通うお子さんがいるご家庭では、感染対策の強化をお願いいたします。
・まとめ
伝染性紅斑(リンゴ病)は軽症で済むことが多い感染症ですが、妊婦さんが感染すると胎児に影響を及ぼすことがあります。現在、静岡県内でも感染が拡大しており、家庭内での感染対策が求められています。石けんでの手洗いや咳エチケットなど、基本的な感染予防を徹底しましょう。症状に気づいたら、早めのご相談をお願いいたします。妊婦さんとご家族、そして子どもたちが安心して過ごせるよう、私たちもサポートいたします。