健康づくりのための睡眠について

2024年3月13日

みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。

みなさんは、睡眠の質や時間をしっかりと意識したことがありますか?

政府は「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を策定し、年代別に適切な睡眠時間と睡眠の確保に向けた推奨事項を示すとともに、睡眠環境や生活習慣などに関する参考情報を提供していますので、ご紹介したいと思います。

世代別の適切な睡眠時間

・成人: 6時間以上を目安
・小学生: 9時間から12時間
・中学生・高校生: 8時間から10時間
・高齢者: 寝床にいる時間が8時間以下

睡眠不足による健康リスク

睡眠時間が短いと、肥満、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管疾患、認知症、うつ病などの発症リスクが高まることが研究で示されています。

睡眠時間の現状

日本人の労働世代では、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占めており、睡眠不足傾向が顕著です。

適正な睡眠時間

成人においては、おおよそ6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられますが、個人差があります。日中の眠気や睡眠休養感に応じて、各自必要な睡眠時間を自ら探る必要があります。

睡眠時間の確保

睡眠時間を確保するためには、生活習慣や睡眠環境を見直すことが重要です。食生活や運動、嗜好品の摂り方、寝室の快適さ、寝る前のリラクゼーションなどに注意しましょう。また、長時間労働の是正や勤務間インターバルの活用など、働き方改革も睡眠の質と量に影響します。

子供と青少年の睡眠習慣

子供が成長するにつれて、自分で就寝時間を調整する傾向がありますが、親は十分な睡眠時間を確保できるように時間を設定する手助けをするべきです。朝食を抜くことも、規則正しい睡眠スケジュールを維持することを阻害します。

推奨される睡眠時間

・小学生: 9〜12時間
・中学生と高校生: 8〜10時間

遅くまで起きている原因と予防

思春期になると、睡眠覚醒リズムが遅くなり、早く寝ることや早く起きることが難しくなります。これは、課外活動、勉強、交流、デジタルデバイスの使用などの社会的要因によって悪化する可能性があります。睡眠障害を発症しないためには、朝に十分な日光を浴びる、朝食を食べる、日中に運動する、寝る前にデジタルデバイスを使わないなどが重要です。

高齢者の睡眠

高齢者では、睡眠時間よりも寝床にいる時間が重要であり、寝床にいる時間が8時間以上になると死亡リスクや認知機能の低下リスクが増加することが報告されています。

睡眠休養感の確保

睡眠時間を十分とっているにもかかわらず、睡眠休養感(睡眠で休養がとれている感覚)が低い場合は、寝床時間の制限、昼寝の避け方、日中の活動と昼夜のメリハリのつけ方などの対策が有効な場合があります。

以上ですが、お子さんが睡眠リズムが悪い、寝られない、など心配なことがありましたらぜひ外来でご相談ください。