みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。
登園・登校時やお出かけの際、ストラップ付きの水筒を肩から下げているお子さんをよく見かけます。手が空き便利なため、多くの家庭で活用されているアイテムですが、実はこの水筒が原因で腹部を打ち、内臓を損傷するという事故が発生しています。小さな体にとって、硬い水筒が強い衝撃となることもあるため注意が必要です。
実際に起こった事故とそのメカニズム
歩いている途中で転んだり、遊具から滑り落ちたりした際、水筒が身体の前にぶら下がっていると、硬い部分が腹部に勢いよくぶつかることがあります。特に体格の小さなお子さんでは、衝撃が直接内臓に伝わることがあり、まれに肝臓や腸などに損傷をきたすこともあります。外傷が目立たない場合でも、内部で出血が起こっていることがあるため、注意が必要です。
どのようなケースが危険か(年齢・使用シーン)
特に注意が必要なのは、未就学児や小学校低学年のお子さんです。身体がまだ小さく、バランスを崩しやすい年齢であるため、転倒時に水筒が直接お腹に当たりやすい傾向にあります。また、階段や公園の遊具で走ったり跳んだりする際も、水筒の揺れによる衝撃が加わることがあります。
安全対策とおすすめの使い方
事故を防ぐために、以下の対策をおすすめします:
・水筒は身体の前でなく、サイドやリュックに装着するようにする
・軽くて柔らかい素材の水筒を選ぶ
・ストラップの長さを調整し、ぶら下がりすぎないようにする
・激しい運動をする場面では、水筒を外しておく
また、落下や衝突が起こった後、お子さんが「お腹が痛い」と訴える場合は、念のため医療機関を受診してください。
保護者の皆さまへのメッセージ
子どもたちの安全を守るには、日常に潜む小さなリスクにも目を向けることが大切です。便利なアイテムでも、使い方や状況によっては思わぬ事故につながることがあります。水筒の選び方・持ち方を少し工夫するだけで、防げる事故もあります。お子さんが毎日安全に過ごせるよう、ぜひご家庭でも一度見直してみてください。
まとめ
ストラップ付き水筒は便利なアイテムである一方、使い方によっては腹部への衝撃により内臓を損傷するリスクもあります。特に小さなお子さんでは、転倒時などに重大なケガにつながる恐れがあります。水筒の位置や素材、使用場面に気をつけることで、防げる事故も多くあります。日常の道具だからこそ、安全に使える工夫を取り入れて、安心して登園・登校・外出を楽しめるようにしましょう。