みなさんこんにちは!静岡県富士市にある小児科、かわむらこどもクリニックです。
梅雨から夏にかけては、気温と湿度が上がることで「食中毒」のリスクが高まります。特に小さなお子さんは免疫機能が未熟なため、大人よりも症状が重くなりやすく、注意が必要です。今回は、食中毒の原因や予防方法、もしものときの対応についてお伝えします。
【食中毒とは?】
食中毒とは、細菌やウイルス、有害な化学物質などが原因で、食べ物や飲み物を通じて感染し、下痢や嘔吐、腹痛などの症状を引き起こす病気です。
特に夏場に多いのは、細菌性の食中毒です。細菌は高温多湿の環境で繁殖しやすく、調理や保存の管理が不十分だと感染のリスクが高くなります。
【主な原因と症状】
代表的な食中毒の原因には以下のようなものがあります。
・サルモネラ菌(生卵、生肉など)
・カンピロバクター(鶏肉など)
・腸管出血性大腸菌(O157など)
・ノロウイルス(冬場にも多い)
主な症状は、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などで、体力のない小児では脱水症状に至ることもあります。
【家庭でできる予防策】
1.調理前後の手洗いを徹底する
2.肉や魚は中心部までしっかり加熱する
3.調理器具(まな板・包丁など)は使い分けるか、使用後すぐに洗浄・消毒する
4.食品はすぐに冷蔵・冷凍保存し、常温放置を避ける
5.賞味期限・消費期限を守る
特にお弁当などを持たせる際は、保冷剤を使用したり、傷みやすい食材を避けたりする工夫も有効です。
【食中毒が疑われるときの対応】
お子さんに嘔吐や下痢などの症状が見られた場合、まずは水分補給を優先しましょう。経口補水液やイオン飲料などを少量ずつ、こまめに与えることがポイントです。
以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
・何度も嘔吐を繰り返す
・水分が取れずぐったりしている
・血便が出る
・高熱が続く
また、食中毒は感染性があることが多いため、嘔吐物や排泄物の処理時には手袋やマスクを使用し、しっかりと消毒を行いましょう。
【最後に】
食中毒は、正しい知識と日常の衛生管理で防ぐことができる病気です。とくに暑い時期は、食品の取り扱いにいつも以上の注意が必要です。
当院では、食中毒の診察はもちろん、脱水時の点滴対応も可能です。気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。
お子さんの健康を守るため、日ごろの食の安全に意識を向けていきましょう。